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昔脚本家目指してたけどまた目指すことに決めた人の書き置き場。
犯人役のイメージしかなかった久世星佳さんの宝塚時代に
すっかりK.Oしてしまい…(ファンになる入口はドラマの犯人役ですが)
そのまま久世さんと宝塚OGファンになってまだ数ヶ月ちょいのド新規です。
久世星佳/90年代宝塚&月組/天海祐希/涼風真世
絵麻緒ゆう/姿月あさと/匠ひびき/一路真輝/高嶺ふぶき
ジャニーズ(23年茶の間)/松井珠理奈/市川美織/サカナクション
TRICK/SPEC/ケイゾク/眠れる森/相棒シリーズ(やっぱ亀山さん)

第1話

http://dolly-728-moonstar-9ze-78.hatenadiary.jp/entry/2017/01/03/152542




どこかお高そうなホテルのレストラン

いかにも恋愛に疎そうな、いかにもオシャレにも疎くて黒縁メガネを掛けた50代のおとなしそうな女性(月島紗枝子)が
バッグからテーブルに大きく膨らんだ2つの封筒(札束入り。計1000万)を取り出す。
紗枝子「さっき銀行から下ろしてきたんですけど…コレで大丈夫ですか?」
40代後半の男(どこにでもいそうなごく普通の雰囲気)が封筒の中身を確認する。
男「(封筒を確認して)えぇ。 大丈夫。 コレで僕のも会社の損害の立て直しが出来ます。 佐藤さんありがとうございます(頭を下げる)」
男の後ろのテーブルで美味しそうにパンケーキをほおばっている若い女性(神田実桜)。
実桜「んまぁーー♥ ここのパンケーキんまぁーーー♥」
紗枝子「(ホッ)良かったです」
紗枝子の後ろのテーブルでコーヒーを飲みながら雑誌を読んでいるサラリーマン(大久保薫)と後輩サラリーマン(本郷祐史)。
ウェイトレス(馬場歩美)が「お待たせしました」アイスコーヒーとホットコーヒーを持ってくる。
紗 枝子と一瞬目が合う(アイコンタクトしたような)。
男「(コーヒーを一口飲み)では僕はそろそろ失礼を」
紗枝子「あの。今度はいつ会えますか」
男「お会いする時はこちらから連絡しますから。心配しないで下さい」
紗枝子「(寂しそうに)分かりました」
紗枝子の片耳にワイヤレスイヤフォン。
スーツの胸バッジに見立てた最新型の隠しカメラ。
『5人の証言一致したぞ。その男だ』と男(代々木)の声。
言葉を聞いた紗枝子の口元がニヤッ。
その瞬間、男に向かってアイスコーヒーをぶっ掛ける!
男「(アイスコーヒーぶっ掛けられて意味分からず)?!?!?!!」
おとなしいはずの紗枝子が突如一変。
男の片腕を素早く掴むとあっという間にねじ曲げてテーブルにドン!
紗枝子「その手口で大金だまし取ったんだよねぇ?」
男「いててててて!! 痛い!」
紗枝子「(時計見て)午後1時37分。確保」
紗枝子、男の両手首に素早く手錠を掛ける。
男「(手錠掛けられて)何だてめぇ!!!!」
背後から男の肩を叩く手。
実桜「ごめんなさーい。(警察手帳見せ) 警察でーす(ニコッ)」
男「け、警察?! (すぐに状況を悟った) おい!! ババア!!おめぇもか!!」
紗枝子「(メガネ外してポケットから警察手帳見せてニッコリ) それ私のポケットマネーだから返してくれる? 老後に貯めてんのよねー」
男「(紗枝子の警察手帳を見て血の気がサーッと引く)けけけ、け、け、警視…」
紗枝子「(男の胸倉掴んで睨む) 証拠は全部出揃ってんだよ。 あとでゆっくり吐いてもらうかんね。(さらに睨み)分かった?!」
男、紗枝子の睨みにビビってへこたれて封筒を投げ返す。
薫「睨まれたら終わりな?(ニコーッ)」
薫達に連行されていく男。
駆けつけた刑事「(敬礼)ありがとうございます」
実桜「(敬礼返し) 困ったらまたお願いしまーす」
刑事が出て行き、2人になった実桜と紗枝子。
実桜「ちょっと課長。 あたしにもコーヒー掛かったんですけどぉ! せっかく新しい服買ったのにどうしてくれんですか」
紗枝子「ゴメンゴメン。 後でクリーニング代出すから。(ため息ついて)
はーー疲れた…(首や肩をトントンしながらテーブルに戻る) 騙されたフリするのも疲れるわー 」
実桜「ですよねー。普段の課長とは大違いでしたもんねー(笑) キャハハー(笑) (真似)『コレで大丈夫ですか?』『(ホッ)良かったです』
キャハハーウケるー。 演技してます感出過ぎー(テーブルをバンバン) キャハハー」
いつの間にか紗枝子が実桜が食べていたパンケーキの残りをもぐもぐ。
紗枝子「んー。これ美味しい」
実桜「(パンケーキ食べられて) あー! これ2000円もするんですよ! 私の自腹なんですけど」
紗枝子「いいじゃない。ちょっとぐらい」
実桜「それ食べたから割り勘ですよ。1000円下さい」
紗枝子「これっぽっちしか食べてないじゃないの」
実桜「ダメです。1000円下さい」
わーぎゃー騒ぐ実桜。
実桜の空気の読めなさに呆れ、周りの客にジロジロみられてる視線。
紗枝子「(あまりの恥ずかしさにメニューで顔を隠してしまう)」
実桜「ちょっと課長~。聞いてます?」
ナレーション「何となく、いや、どこか空気が読めてない彼女の名前は神田実桜。
実は彼女、所轄の刑事をクビになる寸前だったのだが、とある部署に異動した事で人生がガラリと一変した。話は遡ること半年前………」

警視庁(実景)/半年前
「半年前」のテロップ。
朝。
いつもと変わらない風景。

同・正面口
出勤してくる職員達をよそに外観をズラーッと見上げている神田実桜(24)。
新調のスーツの胸にはバッジ(MPD)。
実桜「まさかこのあたしが本店に来ちゃうなんて」
※一旦静止してここでテロップ『7課異動 神田実桜 元渋谷花山署強犯係巡査 今ドキ&若干KY』が入る※
手には本店異動命令の紙。
『×月×日付で警視庁刑事部7課へ異動を命ずる』
実桜「あんな事しちゃったのにあたしが本店異動なんて。(頬をパン!) んな事言ってらんない」
玄関へ向かう。

同・廊下
歩く実桜。

同・エレベーター
8階のボタンを押す実桜。

同・8階廊下
教えてもらった場所のメモを頼りにひたすら歩く実桜。
実桜「7課ってどこ?!」
ひたすら歩く、歩く、歩く。
(ここでポスター貼りをしている中年男(代々木)とすれ違うが気付かず)
メモを確認する実桜。
実桜「…どこ!?」

同・7課(少し時間経過)
時計の針は既に9時20分。
課長デスクの上でボールペンを爽快に回している女性の手。
女性の声「初日から遅刻なんていい度胸してんじゃないの」
もう片手には実桜の写真付(制服姿)経歴書が。

同・7課近くの廊下
しばらく歩くと7課の表札を見つけた。
実桜「何でこんな奥にあんのっ? 疲れた…(へこたれそうになるが)」

同・7課
実桜「(恐る恐る入り)あのーーー…7課ってこちらですか?」

警視庁・7課
一同の視線が一気に実桜に向けられる。
7課一同「(実桜をじーっと)」
実桜「(何この視線!) 遅くなってすみません。迷っちゃいまして」
課長の月島紗枝子(50)が「どうぞ」と声を掛けた。
実桜「(紗枝子のデスクに来て敬礼)本日付で渋谷花山署から7課に配属になりました、神田実桜です」
紗枝子「課長の月島紗枝子です。よろしく」
※ここで一旦静止してテロップ『7課課長 月島紗枝子 元捜査1課課長 通称:鉄の女 ちなみにお見合い99連敗更新中』が入る※
モデル並の背の高さで上下黒のパンツスーツに白のワイシャツがバッチリ決まっていて、
いかにも仕事優先で生きてきました!という雰囲気がバリバリに出ている。
実桜「(ペコ)よろしくお願いします」
紗枝子「ところで…(チラッ)」
実桜「ハイ」
紗枝子「前の管轄で上(上層部)の身内、誤認逮捕したんだって?」
実桜「まぁ…ハイ。突っ走り過ぎちゃって……ハイ」
× × ×
(回想/渋谷花山署署長室/その1ヶ月前)
副署長「(怒りが収まらない)本店上層部のご家族を誤認逮捕するなんてお前は普段から何やってるんだ!!それでも強犯係の刑事かぁぁぁぁッ!!!!!」
実桜「(頭を下げる)すみませんでした!!」
署長はただ黙って見ている。
副署長「ウチの署でこんな不祥事が起きるなんて初めてだ!! お前は今日付で自宅謹慎!! 処分決まるまで1歩も家から出るなぁぁぁぁぁぁッ!!」
× × ×
紗枝子「あーあ。やっちゃったね」
実桜「ハハハ…(苦笑い)」
紗枝子「普通ならコレ(クビ)よコレ(クビ) 」
実桜「ですよね(苦笑い)」
紗枝子「署長が私の先輩じゃなかったら、アンタホントにクビだったんだから」
実桜「まぁ、前のトコの署長と話せる仲で良かったですけど」
紗枝子「クビ免れただけありがたいんだから。今日からウチの仕事頑張って」
実桜「あのぅ…ここは何の業務をしてる所なんでしょう?」
紗枝子「ここ? 強いて言うなら警視庁版ショムニかな」
実桜「ショムニって何ですか」
紗枝子「(ショムニを知らないなんて!って顔するが) 雑用だよ雑用 」
実桜「はぁ…」
紗枝子「捜査会議で使う資料のコピーと配布、ファイルの整理、データ管理と報告書の誤字脱字あるかないか、庁内周囲の掃除&トイレ掃除、クレーム処理、展示物にポスター貼り、お昼の出前の注文取り、
たまに電球取り替え、捜査の泊まり込みあれば人数分の布団準備に食べ物と飲み物準備、あとは生活安全課とかで対応しきれない人の話相手とかとにかくいろいろ」
実桜「(思わず大きな声で)そんな事までやるのここ?! めっちゃ押し付けられてんじゃん!」
シーンとなる7課内。
7課一同「……………」
紗枝子「……(ジロっ!! 左の眉が上がっている)」
(紗枝子の睨みはめちゃくちゃ怖い。1課時代はその睨みで数々のホシを完落ちさせてきたツワモノである)
実桜「(ひぃぃぃっ!!)」

タイトル
『ノエルメイス』

警視庁・7課
実桜「(紗枝子の睨みに恐怖)す、す、すみませんッ!!」
紗枝子「(ニコッ)デスクはそこ(指す)だから。大久保くんあとはよろしく」
薫「あーはい」
※ここで一旦静止してテロップ『7課巡査部長 大久保薫。 元八王子南署刑事係 佐世保育ちのクールなイケメン』が入る※
紗枝子「じゃ。私ちょっと休憩ー」
タバコとライターを手に取って出ていく紗枝子。
実桜「(小声)休憩ってまだ朝じゃん!」
薫「巡査部長の大久保です。よろしく」
実桜「あっ…(ペコ)神田です。 よろしくお願いします」
(薫の向かいのデスクの歩美)「馬場です。 よろしくね」
※ここで一旦静止してテロップ『7課巡査馬場歩美 ハーフの元ヤン』が入る※
(実桜の向かいのデスクの本郷)「Nice to meet you! 僕のネーム、本郷です」
※ここで一旦静止してテロップ「7課巡査 本郷祐史 アメリカ生まれのアメリカ育ち 英語混じりの日本語』が入る※
薫「あともう1人いるんだけど、今ポスター貼
りに行ってるから」
× × ×
庁内廊下。
ポスターを貼っている中年男性。
代々木「これでよし、と」
※ここで一旦静止してテロップ「7課警部 代々木敦彦 元捜査第3課警部 紗枝子の同期兼親友」が入る※
ポスターを上手く貼れてちょっと満足気。
後ろを婦警達が通りかかったので慌てて咳払い。
× × ×
場面が変わって屋上。
電話している紗枝子。
紗枝子「普段の仕事内容言ったら「そんな事までやるのここ?!」って(笑) でもこれは表向きだしウチの本業見たらあの子絶対腰抜かしますよ。
しばらく上から電話は来てないし今の所は地道にこっちも本庁の雑用係やってますよ。 フフッ。 じゃあまた電話します」
電話を切ってタバコに火をつけて一服。
上空でどこかのヘリコプターが飛んでいる。
紗枝子「…?」
轟音が響き渡ると同時に。
《フラッシュ》
拳銃を撃つ若き女性刑事。(27歳の頃の紗枝子)
胸を撃たれて倒れる男(背中だけ映って素顔は見えない)。
× × ×
思わず目を閉じて顔を背けてしまう紗枝子。
タバコの煙が風になびいている。
紗枝子「……………」
× × ×

同・廊下(時間経過)
トイレ掃除の用具がたくさん入っている台車を押している歩美。
実桜が並んで歩く。
歩美「ねぇ。神田さんって思ったことすぐ口に出すでしょ」
実桜「いやぁ。私そのつもりはないんですけど」
歩美「課長の睨みガチで怖かったでしょ」
実桜「(ハッキリ)そりゃあもちろん!」
歩美「1課にいた時はあの睨みでホシを落として自白させてたんだってさ。検挙率も1課の女性刑事の中で20年トップだったみたいだよ」
実桜「スゴッ。1課にいたんですか月島課長って」
歩美「ああ見えて結構男勝りなトコあるからね。課長は」
実桜「何か独身臭プンプンするなぁーとは思ってましたけど(笑)」
歩美「(げっ!!)」
紗枝子(手にいろいろと持ってる)とバッタリ鉢合わせ。
話に夢中で気付かない実桜。
実桜「もしかしてホントに課長って独身? 何かお見合いもめっちゃ連敗してそうな感じじゃないですか?(クスクス笑う) 」
歩美がまずそうな顔で「後ろ!後ろ!」とジェスチャー
実桜「後ろ?」
振り向く。
紗枝子「(ニコ)初日から随分と言いたい事言ってくれますね~(ニコニコ)」
実桜「(ガーーン!!って顔) す…(いません)」
紗枝子の顔は笑ってるが目は笑ってない。
実桜「(ひぃぃぃっ!!)」
歩美「(小声)余計な事言うんじゃなかった…」

同・廊下(さらに時間経過)
大量の報告書を両手いっぱいに抱えて歩く実桜。
実桜「重い……」
のろのろと歩いている実桜。
薫がお昼の出前注文取りのメモを確認しながら隣に並んで歩いている。
薫「のり弁20、梅30、おかか10、ツナ10、ラーメン20、味噌と塩ラーメン10、チャーハン30、サンドイッチ20、サラダ20…」
実桜「重い……」
薫「半分持ったげようか」
実桜「いいんですか?」
薫「重いんでしょ」
実桜「じゃあこれ(半分渡す)」
薫「(受け取り) さっきの話ってホントなの? 上の身内誤認逮捕したっていう」
実桜「ハイ」
薫「それは大変だったね」
実桜「突っ走り過ぎちゃった結果ってやつで(苦笑)」
エレベーターに乗り込む2人。
薫「間違いは誰にでもあるよ」
実桜「ハハハ…(苦笑)」
薫「ハハハ」
エレベーターが止まる音。
ドアが開き、1人の男が立っている。
雰囲気からしてどこか嫌味ったらしい男──────1課課長の大崎潤(53)である。
薫「ゲッ…」
大崎「(エレベーターに乗り込み階のボタンを押し)おやおやおや。これこれは。7課の大久保くんじゃないか」
薫「お疲れ様です」
大崎「ご苦労さん。 ところで、(実桜を見て)このお嬢さんはどなたかな」
実桜「(敬礼)神田です。 今日付で7課に配属になりました」
大崎「ほーーぅ。 またあの7課に人増えたのか。 (見下した態度見え見え) 」
薫「えぇ。まぁ…そうですね」
大崎「ま、せいぜい(さらに見下した態度で)頑張ってね」
エレベーターが止まり、大崎が「じゃ」と降りて行く。
実桜「何なんですか。あの嫌味ったらしいオッサン」
薫「1課の課長。ウチの課長と入れ替わりでここ来たの」
実桜「何か見下してませんでした?」
薫「あの人だけじゃないよ。ウチの課、ここじゃバカにされてるから」
エレベーターが止まる音。ドアが開いて薫が降りる。
実桜「(えぇ…って顔しながら後を追う)」

同・7課(時間経過)
大量にある報告書の誤字脱字チェックを黙々とこなす紗枝子、薫。
資料のデータとチェックを黙々とこなす本郷。
ファイルの整理とチェックを黙々とこなす代々木。
掃除用具などの手入れを黙々とこなす歩美。
とにかく無言状態。
どうやら耐えられない様子の実桜。(異動初日なので紗枝子達が誤字脱字チェックした報告書を収集する担当ということで)
実桜「………(黙々と仕事している7課一同を見ている)」
実桜の声「やっぱり私、完全に雑用係に飛ばされたんだ。もぉー最悪だ」
実桜「(ガックリ肩を落とす)」
そこへ、初老の男性警官の春日(定年間近)が「おーい。紗枝ちゃんいるかー?」と入ってきて、
春日「(周りにペコペコ) 仕事中お邪魔するよ」
紗枝子「どうしたんですかー?」
春日「紗枝ちゃん。来週の日曜日のお昼空いてるか?」
紗枝子「来週の日曜? 空いてるっちゃあ空いてますけど」
隠し持っていた写真の台紙(お見合い写真)を紗枝
子に見せる春日。
紗枝子「あぁ~…そういう事か」
実桜「お見合い写真?」
実桜に気付かれて慌てて片隅に集まる紗枝子、春日。
紗枝子「みんないる時にお見合い写真持って来ないで下さいよ」
春日「これで失敗したら紗枝ちゃんアンタ3ケタ突入だぞ」
紗枝子「ちょっ…!何で覚えてるんですか 」
春日「 今まで警察の仕事いっぱいいっぱいだった紗枝ちゃんには幸せになってもらいたいのよ分かる?」
紗枝子「 お気持ちはありがたいんですけど…」
(この時後ろで様子を窺っている実桜とそれを止めようとしている薫達がいる感じで)
春日「何なら紗枝ちゃん。 俺と結婚するか? 」
紗枝子「ハハハ。 (キッパリ)無理」
春日「ハハハ。 ヤダなー紗枝ちゃん。 (結構傷付いた)冗談だよ冗談。 ハハハ」
紗栄子「ハハハハハハ。 (肩をバン!)私なんかよりもっとキレイで若い人探して下さいよー」
本郷「(小声で)あれ、お見合い写真ですよね」
代々木「(小声で)でなきゃあの人ここ来ないから」
歩美「(小声で)何連敗目?」
代々木「(小声で)俺の記憶が正しければ(数えて)99連敗目」
本郷・歩美「(ビックリして思わず顔を見合わせる)」
代々木「(小声で)俺も何回月島にフラれたか分かんねぇ(衝撃告白)」
本郷・歩美「エッ?!」
代々木「5回だ、5回。うん」
本郷・歩美「エッ?!」
代々木「えっ」
本郷・歩美「(代々木の思わぬ衝撃告白に目が点になっている)」

同・玄関口(時間経過/夕方前)
実桜「はーー…異動初日から疲れた…」
トボトボと歩いていると、
近くにいた同い年くらいの婦警達が受付の女性職員と実桜を遠巻きに見ながらコソコソ話しているのが聞こえる。
婦警A「ほらあの子だよ。所轄でやらかして鉄の女がいる7課に飛ばされた子」
婦警B「7課ってここ全体の雑用係やってるトコだっけ」
受付の女性職員「あの子、上層部の身内を誤認逮捕して7課に飛ばされたんだって」
婦警A「うわぁー酷!」
婦警B「私なら7課に飛ばされるくらいなら即効で辞めちゃうよ」
婦警A・受付の女性職員「だよねー!(クスクス笑う)」
婦警B「可愛いのに可哀想~(クスクス笑う)」
明らかに自分がバカにされてるであろう話が聞こえて悔しーーー!!!って顔で出て行く実桜。
実桜「辞めてやるーーー!!!」

霞ヶ関駅・ホーム
仕事が終わって家路に向かう薫。
スマホが鳴る。
着信画面には「母さん」の文字。
無視してそのまま胸ポケットにしまう。

薫の実家・居間
電話をかけている50代くらいの女性の後ろ姿(髪を束ねている)。
薫の母である。
留守番電話サービスの音声が流れ、
薫の母「(電話を切って肩を落とす) はぁ…」
奥の部屋から「お兄ちゃんまだ電話出んとー?」という20代前半の女性(娘の栞)の声。
薫の母「繋がるまで掛けるしかないわねぇ。ホントにもうあの子ったら。 5年も帰って来ないなんて」
後ろ姿のみ映しているが、どこかで聞き覚えのある声…?

警視庁・7課
実桜の今までの経歴書を睨めっこしている紗枝子。(デスクの椅子をぐるぐる)
紗枝子「さてはどう扱うか…(考えて) 」
デスクの電話が鳴り、
紗枝子「はい、もしもし」
声『月島。 ちょっと頼まれてくれるか』
紗枝子「(口調がガラリと変わって
) ご要件は? 」

パフェ専門店・夕方(所轄時代からの行きつけ)
店員「お待たせしましたー。ビッグチョコパフェです」
デカ盛りサイズのパフェ。がドン!
実桜「疲れた時はこれよねー♥♥ いただきます」
バクバク食べる実桜。
実桜「んーーー♥まーーー♥ 幸せーー♥」
バクバクもぐもぐ。
実桜「帰ったら退職届書いて 就活すっぞー」
バクバクもぐもぐ。
店員「お待たせしましたー。ベリーベリーパンケーキです」
デカ盛りパフェの次はホイップたっぷりのパンケーキか!

イメージ
薫のスマホ。(家路に向かう最中)
歩美のスマホ。(ジムで汗流してる最中)
代々木のスマホ。(双子の娘達と遊んでいる最中)
本郷のスマホ。(寮で刑事ドラマを見ている最中)
鳴り。
薫・歩美・代々木・本郷「(電話に出るなり)了解」

警視庁・廊下(時間経過)
歩いてくる紗枝子。(バーバリーのトレンチコートが似合ってる)
向こう側から歩いてくる男(上層部の制服着用。顔は見えない)
すれ違いざまに封筒を渡される。
男「Dai」(字幕「頼むよ」)
紗枝子「(振り向きもせずそのまま歩いて) Ci penso io 」(字幕「任せて」)
※イタリア語である※

マンション・実桜が住む部屋のリビング
※母方叔母のマンション。
海外赴任で不在のため、帰ってくるまでの間だけ実桜が暮らしているという設定。
マンション買ってるので払っているのは光熱費と管理費のみ※
シンプルな部屋だが、流行りものにはうるさい実桜のお蔭で流行りものだらけでそこそこ散らかっている。
履歴書は完璧に書き上げている。
しかし退職届を書くも理由が浮かばず何度も書き直し。
実桜「(書き損じで便箋を破く) あーーー! 浮かばないよぉ。 一身上の都合だけで受理されるのかなコレ。
あーーーー! (頭抱えて) どうしようどうしようどうしよう。 お風呂入りたいのにコレ書かなきゃ無〜理〜!! 」
そのまま後ろにぶっ倒れて、
実桜「(今日の疲れが溜まったのかそのまま眠って)」
部屋の窓から500m先の空き地にある廃倉庫の明かりが点いてるのが見える。

都内某所・廃倉庫(1時間後)
住宅地から少し離れた場所にポツンと建っている廃倉庫。
使われていないはずなのに明かりが点いている。
中では何やら違法取引をしている男達。
大量の札、札、札。
突然倉庫の戸がガラガラ……開いた。
男達の動きが止まった。
視線の先。
外の明かりに照らされる5つのシルエット。
男A「誰だお前ら」
女の声「アンタ達ここで毎晩違法取引してるんだって?」
男A「あ? してねぇよ」
女の声「あれ?おかしいな。 証拠揃ってるし。ほら。逮捕状もあるんだけどなぁ」
男B「あ?警察? ずいぶん人数足りねぇんじゃのか?」
女の声「この人数で十分だから」
近づいてくるヒールの音。
動く人影。
倉庫の明かりで見える黒のパンプスとカーキ系のトレンチコート。
その後に続く4人の影。
女の声「後で応援来るけどそれまで大人しく出来ないかなぁ君達」
男A「あん? うるせぇんだよ。引っ込んでろ! ババアは失せろや(笑)」
と、その人物に向かって物(空き缶か飲んでない缶かどちらか)を勢いよく投げ付けた。
────が、いとも簡単に受け止めた。
背後から鉄パイプを持った男Cと男Dが後ろの4人に襲いかかる!
───が、頭突きをかまされてぶっ倒れる男C、柔道技でぶっ倒れる男D。
男A・B「!!」
女の声「大人しくしろって言ったのに」
ここで一旦間が空き、
女の声「 (巻き舌&ドスの効いた声)警察ナメんなァァァァァァァァッッ!!!」
男Aの合図で男達が5人に向かって突っ込んでいく!

同・外観
倉庫内で怒号、怒号、怒号!
大きな音もたくさん響き渡る。

マンション近くの道(時間経過)
コンビニで夜食を買った帰り。
(オシャレ感満載のジャージ姿である)
実桜「これ食べてまた書き直したら寝る。 よし!」
さぁ家路へ帰ろうと歩く実桜だったが、途中で何やら騒がしい音がこの先から聞こえてくるような。
実桜「…? こんな時間に何か騒がしくない?」
音が聞こえる方向へ歩く。

廃倉庫・前
実桜「あれ?ここ使われてないのに何で明かり点いてんの?」
倉庫の中から漏れてくる怒号とともに響き渡る音、音、音。
実桜「何? ヤンキーの乱闘?! ヤバいヤバい。通報通報通報!」
ジャージに入れてるスマホを探しているが見つからない。
実桜「ないないない。 ない。 ハッ! 部屋に忘れた!」
突然倉庫の中から男からぶっ飛ばされる形で放り出された!
実桜「?!?!?!?!」
何が起こってるのか知りたくて恐る恐る倉庫の中をそーっと覗き込む。
実桜「……ん? (目を擦る) ん? えぇッッ?!」
軽くパニックになっている実桜をよそに、近くからパトカーのサイレンの音が近づいてきて、
倉庫前に何台ものパトカーが止まって警官達が下りて来た。
ボコボコにされた男達がゾロゾロと「痛てぇんだよ! 離せよ!」など言いながら警官達に連れられてパトカーに乗せられていく。
1人の警官が「被疑者これで全員ですか」と声を掛けた5人の後ろ姿。
外の照明で照らされた5人の姿────────
7課一同である。
ボコボコにされてる主犯格の男A、紗枝子にとっ捕まえられている。
紗枝子「だから大人しくしろって言ったじゃない」
男A「(紗枝子にビビって何も喋れない)」
紗枝子「(警官に突き出して) あとはよろしくね」
警官「はっ。 (男Aに)ほら、さっさと乗れ!」
パトカーが去って、
紗枝子「はー…疲れた。(肩をトントン) みんなもお疲れ」
代々木「月島ぁ、お前相変わらずあの蹴り健在じゃねーか」
紗枝子「意外とまだ使えたわね。ハハハ」
本郷・薫・歩美「(久しぶりの格闘で体ボキボキ~) 」
代々木「久しぶりに暴れたし、俺のおごりでラーメン食うか?」
歩美「えー。焼肉がいいなぁ」
薫「体動かしたら肉っしょ。肉」
本郷「カルビにタン塩…(腹が鳴る)」
代々木「あのなぁ~そこまで金持ってねぇよ俺だって」
と、そこで、実桜の声「あのぅーー……」が入る。
7課一同「?」
実桜がぬぅっと現れた。
実桜「近く通り掛かっちゃったんですけど……ハハハ…ハハハ」

表向きは『本庁内の雑用係』、『訳ありばかりがいるしがない部署』。
しかし、本当の部署名称は『刑事部捜査7課』。
2年前に上層部が密かに設立した部署である。
(捜査1課から4課の捜査該当の後回しにされそうなヤマ(事件)を7課が最終的に担当するという形です)

「ノエルメイス」1. 《終》